エターナル・サンシャイン

エターナル・サンシャイン

不思議な手紙により、恋人が自分との記憶を消したことを知った男は、自らも彼女との記憶を消そうと奔走するが―。ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット共演のスパイラル・ラブストーリー。(Amazon.co.jp

「一番好きな映画は?」と聞かれたら、恐らくこの映画だと答えると思う。かれこれ10回以上は観ている作品。あまりにも好きすぎて、DVDとサウンドトラックCDも持っている。笑 40歳を目前にして恋愛映画が好きだという青臭さが恥ずかしいのですが、こればっかりは仕方がない。

これは誰も経験したことのない物語。過去の記憶をめぐって、心が穏やかになったり寂しくなったり、複雑に感情が絡み合う。特筆すべきは、アカデミー脚本賞にもなったチャーリー・カウフマンのストーリー構成。一回鑑賞しただけだと、全てを理解するのは難しいと思ってしまうほど、緻密に作り込まれている作品です。そんなワケで、いつも見始めると開始から10分もたたない内にのめり込む。ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットの演技も素晴らしく、2人の繰り出す世界観がとても好き。

ちなみに原題は「Eternal Sunshine of the Spotless Mind」。訳すと「汚れなき心にさす永遠の光」。多くの大人たちは社会の中で生きるために、さまざまな犠牲を払わざるをえなくて、そんなセンシビリティ(感受性)が欠けてしまった心をゆっくりとやさしく蘇生してくれる、そんな感覚にさせてくれます。恋愛とは・・・もっというと人生とは、瞬間と瞬間の連続をつなぎ合わせたようなもの。それぐらい不確実で不安定なものなのですが、いろいろな障害に翻弄されながらも、それでも自分を偽らず突き進んでいく姿に心が打たれてしまうのだと思います。だから人は強い。だから人は美しい。そう思わせてくれるステキな映画です。